2003年の日記


12月18日(木)

昨日は酒の中島屋事務局の「第170回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い」が岐阜市の「楮(こうぞ)」で行われました。3年連続で12月は「楮」さんでやっていてすっかり恒例になった感じです。ちなみに僕も3年連続参加しています。酒蔵からは僕と三千盛の木下氏と静岡から「高砂・琉の扇」の宿谷氏がきていて、それぞれの蔵のおいしいお酒をただ飲むだけでなくお燗などをして味の変化なども楽しんでもらいました。所酒造のお酒は「揖斐の蔵しぼりたて」と「房島屋純米無ろ過生酒」を飲んでもらいました。どちらも今年の新酒で生酒なのですが、すでに味のバランスが整っている感じで大変好評でした。特に「房島屋純米・・・」の方はあっという間になくなってしまい、このお酒の酸の魅力は今年も健在のようです。少し割り水をしてぬる燗にするとよけい酸が際だってワインのように油を流してくれます。(生酒は基本的にはお燗はしませんがやってみると案外面白い発見があるかもしれませんよ。少々マニアックですが)
この会はいつもおいしいお酒ばかりでついつい飲みすぎてしまうのですが、いろんな方と話ができるのでとても楽しいです。初めての人も常連さんもいつのまにか和やかに楽しくお酒を飲んでいるのをみるたびにお酒の存在の不思議さとありがたさを感じるのです。まわりに迷惑をかけるような酔い方は困りますが、まったく酔うことのない人生も寂しい気がします。「酔う」達人になりたいものです。

(少しだけPR) 今年の「房島屋純米無ろ過生酒」はいいですよ!

10月10日(金)

去る10月5日(日)各務原のホテル、ベルアペル各務原でおこなわれた「特選蔵元とがんばれ地元の蔵元」(主催 油屋日本酒倶楽部)に参加しました。¥4,000の会費(立食式、14時〜16時)で参加蔵元は全国から16蔵(うち岐阜の蔵は房島屋、長良川、小左衛門、達磨正宗、蔵元やまだの5蔵)、100名超のお客様を集めておこなわれました。開演前からお客さんが会場にあふれるほどの熱気で、始まるやいなや、みるみるお酒がなくなっていきました。といって酔いつぶれるようなお客様もなく、クイズ大会もあったりして終始なごやかな雰囲気でした。房島屋のブースにもかなりの数のお客様がこられ、いろいろな話をすることができました。また揖斐出身のお客様もいて、偶然にも所酒造の前掛けがあたったりして思わず話がはずんだりもしました。この会は各務原の地酒専門店「油屋」のお客様のグループが酒販店のフォローのもとに、自分たちで、日本酒の会を企画するというもので、手作り感があってなおかつ洗練されたイベントでした。消費者が消費者のために消費者の喜ぶ企画をたてる消費者主導のイベントで、酒蔵と酒販店はそのための協力をするという感じで、こういう会がもっと増えると日本酒ファンも増えていくんだろうと思います。ワインや焼酎でこれだけの酒蔵を集めるのは至難のワザですからね。日本酒だからこそできるのだと思うのです。
イベント終了後は関係者で、打ち上げ、2次会、3次会があり、他の蔵やスタッフの方と交流することができとても楽しい1日でした。

8月28日(木)

今月はお酒の会が何回かあった上に、昔の研修仲間の集まりで四国へ行ったり、友人の結婚式で鹿児島へ行ったり(ついでに屋久島へ行ったり)、また懐かしい人に会ったりして外で飲む機会が多かった気がします。屋久島では当然「三岳」(ペットボトルででてきました)を飲み、鹿児島では「村尾」「魔王」「伊佐美」「森伊蔵」(ミーハー!)などを飲みました。生産地で飲むお酒はどれもおいしかったです。結婚式ではお銚子の形をしたデキャンタに入れたお湯割の焼酎がでてきて、さすが鹿児島と思いました(もちろんビールやシャンパンもありました)。天文館(鹿児島の繁華街)には「貝汁(現地ではけじるともいうそうです)」のお店があり貝の味噌汁とご飯ものを食べさせてくれるのですが、飲兵衛にはありがたいお店です。貝の味噌汁は二日酔いにもよいし、ラーメンなどよりはカロリーも低そうで、飲んだ後には最適かもしれません。もちろん味もおいしくて、山ほどアサリがはいっています。こういうお店があると安心して(?)お酒を飲むことができます。おいしくお酒を飲むコツはこんなところにもあるのかもしれませんね。

7月23日(水)

去る7月13日(日)に東京五反田のゆうぽうと(東京簡易保険会館)で「日本酒フェスティバル2003(主催 川島酒縁の会 日本酒伝承の会)」が行われ、参加、出品しました。昼と夜の2部制、出品蔵数40蔵弱、当日参加蔵数30蔵弱で、会費が前売り¥7,000、来場者数が例年約300名程の会です。一料飲店と消費者の方が中心の会としてはスケールの大きいイベントだと思うのですが、「房島屋純米吟醸無ろ過生酒」と「房島屋65%純米無ろ過生酒」をもって参加しました。東京ではまだ販売を開始したばかりで取り扱い店も少ないので、初めて房島屋を飲むという方がほとんどでしたが、反応はかなりよいものでした。特に「65%純米無ろ過生」の方はかなりインパクトがあったようでした。またある方(すでに房島屋を飲んだことがあるようでした)は知り合いの方をつれてきて「これが房島屋だ!うまかろう!」といってくれて、何度もブースにきてくれました。やっぱりお客さんの反応がダイレクトにかえってくるイベントはいいなあと改めて思いました。この日は昼と夜で計6時間立ちっぱなしだったので足が棒になりましたが、とても貴重な時間を過ごすことができました。他にも最近話題の「カレッタ汐留」や世田谷の「酒蔵やど」(ここには房島屋がおいてあります)で飲んだり、六本木ヒルズに行ったり(お上りさんですな)して、充実した東京出張でした。

お酒とは関係ありませんが、先日知り合いと3人で富士山に登りました。河口湖口の5合目から約7時間かけて(かなり混んでいたので予定より1時間遅れました)登ることができました。頂上でご来光をみる予定だったのですが、間に合わず9合目途中で夜があけました。それでも天気がよく、十分ほどの光のショーは感動モンでした。眼下には見渡す限りの雲海がひろがっていて、この世の景色とは思えないほどきれい(というか別世界)でした。頂上に登ったあと、息も絶え絶えになりながら1時間半ほどお鉢巡りをして、3776m地点にも立ち、帰りは2時間ほどでおりてきました。自然の偉大さと日頃の運動不足を感じつつ、達成感でいっぱいになりました。人間の小ささを感じながらプチ登山家になった気分でした。体力に自信があるなら一度は登ってみることをオススメします。(途中で一泊することもできますしね)

6月25日(水)

先日ビデオで「天国の口 終わりの楽園」というしみじみするメキシコの映画(ただし露出が激しいので子供はみてはイケマセン)をみていて、ムショウにコロナビールが飲みたくなって(映画の中でも当然でてくるビールはコロナビールです)近所のコンビニでコロナビール(正確にはコロニータエキストラ。コロナビールのスモールタイプ)を買ったら、口栓のところにライム果汁が付いていて感動してしまいました。知っている人も多いと思いますが、ちょっとした飲み屋さんでコロナビールを注文するとたいてい瓶の口のところにカットされたレモンかライムが差し込まれてでてきます。で、それをビール中に押し込んでそのまま飲む(本場ではどうなのでしょう?)のですが、そんな気分を家庭でも手軽に味わえるというわけです。前からあったのかもしれませんが、最近コロナビールを買う機会がなかったので知りませんでした。たぶん輸入元の日本ビールの企画だと思いますが、明らかにお客さんの潜在需要を満たしていると思います。別にライム果汁が付いていなくても文句をいう人はいないと思いますが、それがつくことによってちょっとぜいたくな気分になるのです。(自分でライムをカットすればいい話だと思うかもしれませんが、それはやっぱり面倒くさいのです)国産のビールに比べれば値段は高いですが、そもそも毎日飲むようなビールではない(少なくとも僕は)ので、(だからこそ)こういう演出は大事だと思うのです。もうずっと日本酒の需要拡大のために飲み方の演出や飲むシーンの開発といったことがいわれていますが、こういうところにもヒントがあるような気がします。新しい飲み方の開発も大切ですが、僕達が当たり前と思っていることの中に意外にもお客さんの潜在意識に訴えるようなものがあるような気がします。「しぼりたて」や「ひやおろし」などの季節感のある商品展開はまさにそういった需要を掘り起こした結果だと思います。まだまだできることはありそうです。あとは日本映画にもっと日本酒が登場してその映画がどんどん海外に輸出されることを祈るばかりです。それにしてもお酒がもつ「地域性」というものを改めて実感しました。まさか映画をみてコロナビールが飲みたくなるとは思いもしなかったですから。っていうか単純なのかも・・・。

5月22日(木)

昨日は東京で行われた株式会社フルネット主催の「第6回地方名醸蔵利き酒会」に参加しました。参加蔵数は全国から18蔵で首都圏の流通業者(小売店や料飲店など)を対象にしたいわゆる商談会です。実は昨秋から「房島屋」も東京の地酒専門店数件で販売を開始していて予想以上に反応がよいので、こういう機会にもっと多くのプロの方に知ってもらおうということで参加したのです。もちろんここからよい取引が始まればさらに嬉しかったりもします(もちろん仕事なので)。来場者は300名弱で、試飲してもらって、名刺を交換するだけで精一杯でなかなかゆっくり話すこともできなかったのですが、多くの貴重な情報を得ることができました。もちろん多くの方によい評価を頂いたのですが、反面とても具体的な課題が見つかったのも大きな収穫でした。まだまだ房島屋は変わりますよ。
イベント終了後、参加した酒蔵とフルネットのメンバーで懇親会がありここでもいろんな交流ができてよかったです。小さな酒蔵が多く、それだけで共感を覚えてしまいました。また、みんなやる気マンマンの人ばかりなので、よい刺激にもなりました。フルネットのメンバーの方たちもとても親切で日本酒を盛り上げようという意気込みがビンビンに伝わってきました。こうした活動が日本酒を支えているのだと思います。僕達は「おいしいお酒」を造り続けることが何よりも大事だということを再認識しました。
そんなわけで、大きな自信と次への課題と貴重なコネクションができた1日でした。

4月23日(水)

房島屋日記特別編 
寿司・割烹「こうき」 原 完司様へ
(ホームページの紹介もかねて公開させてもらいます)

原 完司様
先日はわざわざ四日市から酒会に来ていただきありがとうございました。
25名ものお客様を連れて色々と大変だったことと思います。
またホームページ上でその時の様子を詳しく載せていただきとても楽しく
みせていただきました。いつの間に写真をとっていたんだろうと思いました
が、原さんが司会、撮影、食事の準備などを全てとりしきられていて、僕は
ただ飲んで、食べてお客さんと楽しく話していただけ(お酒の説明といくつか
の質問にはお答えしましたが)だったので、気づきませんでした。

ホームページの中で「職人の聖域」とありましたが、そのとおりだと思います。
生き物を相手にしている以上コンピューターでは限界があると思います。
(そういえばファジー制御なんてのもありましたがどうなったんでしょう)
それに手間がかかったものの方が愛着がありますしね。
それは料理の世界でも同じなんだろうと思います。
テレビである農業家の人が「おいしいものは手間がかかる」といってましたが
そんな当たり前のことをもう一度見直す時代になったのかもしれません。
(なんか話が大きくなってきました)

僕は料理のことは詳しくありませんが、原さんのお料理はとてもおいしかった
です。きっと原さんは専門家がみても腕のいい料理人なんだろうと思いますが、
常に謙虚な姿勢とお客様へのサービスを忘れないところがすごいと思います。
僕ももっとおいしいお酒を造っていきたいと思います。
また何かありましたらメールします。
それでは。

P.S. もう少し仕事が落ち着いたらお店の方にも伺います。またゆっくり話しましょう。

所 優

3月26日(水)

先日3月23日(日)に「第11回美濃飛騨酒蔵の集い」が岐阜市のふれあい会館で開催されました。例年どおり今年も大盛況で、楽しい時間を過ごすことができました。今年は岐阜県の酒蔵13蔵と県外から愛知の「蓬莱泉」と奈良の「梅の宿」も特別参加してました。例年どおり試飲会形式で、各酒蔵のブースでお客様に試飲をしてもらいながら交流を深めることができました。「房島屋」も今年で4回目の参加になりますが、なじみのお客様も増えてきて終始和やかな雰囲気でした。さらに今年は秘密兵器として同じ揖斐川町でソーセージを造っている森本朋弘氏(28)にもおつまみとして本場ドイツ仕込み(彼は1年間ドイツで武者修行してました)のポークジャーキーとソーセージをもってきてもらいました。これが予想以上の大人気で、また房島屋とも相性がよいのであっというまになくなってしまい、最後には、彼がとっておいた最後の一袋を出せとお客さんに取り囲まれていました。おいしいものはどこへいっても人が集まるんですね。
(それにしても30分以上もねばるお客さんの食い意地には感動さえ覚えました)
さて、今年の「房島屋」ですが、今年は「65%純米無ろ過生酒」と「純米吟醸無ろ過生酒」を試飲して頂きました。それぞれテーマがあって、「65%・・・」の方は新商品なのでこういう酸が高めのお酒に対する反応が知りたかったのと、「純米吟醸・・・」の方は昨年大変高い評価をもらった方が多かったので、はたして今年も満足してもらえるかということでした。「65%・・・」は予想以上に評判がよくてもしかすると純米吟醸よりも人気があったかもしれません。おそらく全ての酒蔵の出品酒の中でも価格的に安いほうのお酒(\2,300/1.8L)であることを考えるとリピートのお客様の多さは少し驚きです。そして「純米吟醸・・・」の方も昨年おいしいといってもらえた方の多くに今年もおいしいといってもらえたのでとてもうれしかったです。実は房島屋シリーズで前年と同じタイプのお酒を造るのはこれが初めてだったのでちょっと不安だったのです。が、それも杞憂でした。造り手としておいしいお酒を造るのも大変ですが、実はおいしいお酒を「造り続ける」ことの方が何倍も大変だと思います。当然、毎年多少の差はあると思いますが、一定レベルをキープするのは心技体が万全でないとなかなかうまくいかないと思うのです。そういう意味で今年はよい造りができたと再確認できました。もちろん反省点もあるので、来シーズンはさらにおいしいものを造ってやろうと思ってます。
そんなこんなで、あっという間の3時間でしたが、とても充実した時間でした。また来年が楽しみです。

P.S. イベント終了後メールを頂いた方ありがとうございました。

2月27日(木)

ついに1本目の50%純米吟醸酒をしぼりました。しぼってから5日がたちますが、かなりよいです。酸味と旨みはしっかりあるのに雑味はなくキメのこまかいお酒になりました。このあと2本目の純米吟醸酒とブレンドして昨年同様「房島屋純米吟醸無ろ過生酒」として販売します。もうすぐ2本目もしぼれるので3月上旬には販売できそうです。
雑味がなくキメのこまかいお酒になった理由は、今年は1月がとても寒くて仕込みの時に蒸米がよくしまったからだと思います。そういうモロミはそれなりの温度管理をしていくわけですが、それがうまくいったようです。粕の多い、ある意味でゼイタクなお酒になりました。はやく皆さんに飲んでもらいたいです。

昨秋に仕込み「無ろ過生酒」が好評だった「65%純米酒」をもう1本仕込むことにしました。全体のイメージはあまり変えずに細かいところを微調整するつもりです。もう少し味のある感じとでもいうのでしょうか。酸があってお米の旨みがあってキレがよいというのが基本的なイメージです。熟成用にも少しのこしておくつもりです。1本目との違いを比べるのも面白いと思います。お酒ができたらお知らせするのでお楽しみに!

1月20日(月)

年明けから「房島屋50%純米吟醸酒」の仕込みが始まりました。今は1本目の仕込みが終わり、今週末には2本目の仕込みもします。今シーズンはすでに「房島屋65%純米酒」という新しいタイプのお酒を仕込みましたが、50%純米吟醸酒に関しては基本的に昨年と同じタイプのお酒を造る予定です。といっても皆さん知ってるように、完璧に同じお酒というのはできないので、あくまでも造り方や仕込み配合が同じということです。酒造りは不確定要素が多すぎて(原料米、水、気温、酵母などなど・・・さらに蔵人の性格や体調なんかも微妙に絡んできたりしてよけい複雑になります)同じように造っても必ずテイストは違ってくるのです。もちろん基本的な部分は変わらないようにしますが、完全に同じお酒を造ることは不可能なのです。そこが、酒造りのおもしろい所であり、難しい所でもあります。もっといえば、ビン詰して商品になってからも保存の状態や期間で熟成の仕方が変わってくるので、皆さんが飲む瞬間のまさにそのお酒は、世界に2つとないお酒になるわけです。きっとお酒の魅力はこんなところにもあるんだと思います。というわけで、昨年と同じタイプのお酒を造りますが、昨年とはまた異なる風味になると思いますので、お楽しみに!

でもよく考えると今回で房島屋の仕込みは9回目になりますが、同じタイプのお酒を造るのは初めて(!)なんですよね。新しい仕込みもいろいろ気を使いますが、同じタイプのお酒を造るのもそれはそれで違う緊張があることに今回気づきました。がんばりま〜す。

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